PROJECTProject

PROJECT01

組織ごとが持つ“あらゆるデータ”を
“すべてのユーザー”が活用できる環境に変えた
次世代データプラットフォームの構築。

業界 メーカー
クライアント ブラザー工業株式会社
プロジェクト期間 3ヶ月

サマリー

世界に40ヶ国以上の拠点を持ち、グローバルにビジネスを展開するブラザー工業株式会社。製品ログデータなどを活用した次世代機の開発に取り組む一方、各拠点ではそれぞれが独自のデータ分析基盤を運用していたため、他部門との連携に多くのロスが生じていました。そこでアビームシステムズは、組織・製品ごとのあらゆるデータ形式に対応可能なデータプラットフォームを構築することを提案。わずか3ヶ月という期間の中、Microsoft Azureを活用した将来的な発展性を備えるマイグレーションを実現しました。

プロジェクトの課題

  • 新プラットフォームに対するユーザー浸透期間を短縮させるため、特定部門で既に稼働しているデータ分析基盤からのマイグレーションを検討。
  • 組織、製品ごとに生み出されるデータ形式は様々であり、あらゆるデータにも対応可能なプラットフォームを設計する必要があった。
  • 既存のシステムではオンプレミス環境とクラウド間で毎日2億件ものデータ転送が発生。データ加工から集積まで、すべてクラウドで解決する構成が必要。
  • 将来的に増大していくユーザーやデータ量に対して、処理性能を落とさず発展的に利用できる環境を用意する。

課題に対峙した
ABSのアイデア

  • インフラソリューショングループY.O

    インフラソリューショングループY.O

    当プラットフォームは、将来的にブラザー工業のすべてのデータを集積していくことから、集計加工のロジックはさらに複雑化していくことが予想されました。その点、Microsoft Azureが備える機能を活用すれば、ジョブやプロセスが複雑化しても対応が可能です。また今後、転送データが肥大化したとしても必要な処理性能を落とさず、次世代プラットフォームへと発展させていけると考えました。

  • エンタープライズアプリケーショングループT.F

    エンタープライズアプリケーション
    グループT.F

    従来稼働させていたSQL ServerのSSIS(SQL Server Integration Services)では、データ加工処理が多岐にわたるため、オンプレミスとクラウドのハイブリッド構造で処理せざるを得ませんでした。そこで、SQL Serverと親和性の高いMicrosoft Azureを活用し、既にSSISで構成されている仕組みやスキルセットを生かすことで、クラウド上のみで完結するシステムの構築、転換を短期間で実現しました。

Column

Column

プリンターやミシン、産業用の工作機械まで、様々な商品をグローバルにリリースしているブラザー工業。組織・製品ごとに生み出されるデータは異なるため、それらを統合するにあたり、あらゆるデータ形式に対応可能なプラットフォームの構築が求められました。

プロジェクトの成果

  • Microsoft Azureの活用により約3ヶ月という短期間で、単なる移行ではない将来への発展性を伴ったマイグレーションを完了。
  • 新しいデータ分析基盤では、超並列のデータ変換処理プログラムを走らせることで、日次のパッチ処理に要する時間を大幅に短縮。
  • 今後予想されるユーザー数の増加や転送データの肥大化、ジョブやプロセスの複雑感などにも対応可能な処理性能を確保。
  • ユーザーがデータを自由分析できる環境を整えたことで、組織の垣根を無くし、部門を跨って当プラットフォームを活用することが期待される。

成果に対する「お客様の声」

  • ブラザー工業株式会社IT戦略推進部 IT戦略推進グループ 部長付マネジャーH.O様

    ブラザー工業株式会社
    IT戦略推進部 IT戦略推進グループ
    部長付マネジャーH.O

    今回構築されたデータ分析基盤は既にいくつかの部門で利用が進んでおり、他部門が集めたデータや分析結果を自分たちの業務にも活用できるなどのシナジーが生まれ始めています。この先、ユーザーやデータが増えればより有用性も高まるので、将来的にはあらゆるデータを全てのユーザーが有効活用できる環境にしていきたいと思います。

プロジェクトの
アーキテクチャ図

  • Before

    各製品のログデータを始め、各地の工場やフィールドサポートの報告データなど、様々な形式の膨大なデータを処理するため、オンプレミス環境とクラウドを組み合わせて何とか運用。さらに組織ごとに利用しているデータ分析基盤が異なっていたため、他部門とのデータの共有、活用においてロスが生じていました。

  • After

    どのような形式のデータであっても適切に処理できるプラットフォームをクラウド上に構築。処理時間、転送コストを大幅に削減したほか、将来的なユーザー数増加やジョブ・プロセスの複雑化にも対応可能な処理性能を確保しました。部門の垣根を超えてデータを自由分析できる環境を整えたことにより、多くのユーザーによる活用が加速していくと期待されています。

Diagramプロジェクトのアーキテクチャ図